腸管運動の下痢って?どういった治療があるの?
一言に下痢と言っても、冷えや食あたり、ストレスや暴飲暴食によるものなど原因は様々です。その中で今回ご紹介したい下痢が「腸管運動による下痢」です。
【腸管運動による下痢】
まず、「腸管」とは、口腔から肛門に至る管状の器官の総称のことで主に小腸と大腸のことを指します。その腸管の働きが通常よりも高まったり弱まったりした時に発症する下痢のことを「腸管運動による下痢」と呼びます。
【腸管運動が高まった場合】
腸管運動が通常よりも高まった時、腸に存在する食べ物などが未消化のまま急速に通過してしまい、水分の吸収が十分に行われなくなってしまいます。その結果軟便や下痢になってしまうのです。主な原因は、悪玉菌が増殖した腸内環境の悪化によるものと考えられています。
【腸管運動が弱くなった場合】
腸管運動が高まった時と同じく弱ることも下痢の原因となります。高まった時と反対で腸内の食べ物などの通過速度が遅くなることで、腸内に細菌が増殖し、水や脂肪などの吸収に障害が起こるために下痢が発症されてしまうのです。
また、自律神経の乱れでも腸管の運動が弱まるとされています。自立神経とはヒトの意識ではコントロールできない神経のことを言います。
体内に細菌やウイルスが侵入した時に抵抗したり、発熱した時に熱を下げようする病気の予防や治癒のための働きも自律神経の働きです。これらの働きが乱れることで、腸内の働きが低下し悪玉菌が異常に発生してしまうことで下痢が発症してしまうのです。
【治療法】
お伝えした通り腸管運動が高まった場合の下痢も弱まった場合の下痢の原因は腸内環境で悪玉菌が発生したものによります。
悪玉菌はその名の通り、体に悪影響を及ぼす菌ですが体内に存在する細菌を取り除くことはとても難しいことです。腸内の菌を取り除いてしまうと体に良い影響を及ぼす善玉菌も取り除いてしまうことになります。
つまり、悪玉菌を取り除くのではなく、善玉菌を増やし腸内細菌のバランスを整えることが重要なのです。
悪玉菌は、腸内で腐敗物質やアンモニアなどの有害物質を作り出し増え続けると便秘や発がん率を上げるとも言われています。つまり、下痢だけの対処だけでなく、腸内環境を整えることは健康への近道と言えます。
日頃からの食生活や生活リズムの意識で健康を手にいれられるかもしれません。また、乳酸菌などのサプリメントで腸内環境を整えることも1つの方法かと思います。
これはきつい!便秘気味になると食欲が増してしまう本当の理由!
便秘気味の人は食欲が増してしまうのには、便秘気味の人は太りやすい体質になってしまっているからと言われています。
【便秘気味の人が太りやすい理由】
食べたものが体に取り入れた分全てが吸収されるというわけではありません。消化吸収されなかったものが便として排出されるようになっています。
よって、太りやすい人は取り入れた食べ物や栄養を吸収しやすいため、食べた物をうまく排泄できずに、腸内に留めている時間が長くなってしまいます。
消化吸収を行う腸への滞留時間が長ければ長いほど吸収率が高くなり、太りやすくなってしまうのです。
【便秘気味の人が太りやすい理由は食欲亢進作用もある】
食べたもののたんぱく質がうまく小腸で吸収されないと、大腸までやってきます。大腸まできてしまうと食欲中枢を刺激する神経毒を作用する「イオウ化合物」や「窒素化合物」を発生させてしまいます。
食欲中枢への刺激で食べ物を欲してしまうため、便秘気味の人が食欲増進させてしまうことにつながってしまいます。また、便秘気味の人はお腹がポコンと出ている人が多いです。
便秘状態が続いてしまうと、新陳代謝が悪くなり、大腸から吸収された水分が腸管周辺に貯留してお腹が出てしまいます。また、食べたもののうち、たんぱく質が小腸で吸収されないまま大腸に流れ着いて、そこでイオン化合物や窒素化合物を発生させ、神経毒として作用し、食欲を司る食欲中枢に影響を与えてしまうのです。
便秘気味の人は、大腸に窒素酸化物やイオン化合物が溜まりやすく、食欲が亢進して、余分な脂肪がつきやすくなってしまうのです。よって、便秘気味なのに食欲が増してしまうには、食べたものを溜め込みやすくなってしまい便としてうまく排出できなくなっていることにより食欲中枢が刺激されて、便秘でお腹がパンパンなのに食欲が増してしまうのです。
食欲のコントロールがうまくできなくなっていることが便秘気味なのに食欲が増してしまう原因と言えます。
腸内細菌の善玉菌は増えすぎても身体に害はないの!?
私達人間体内、特に腸内には細菌が住んでおりますが、大きくその最近は善玉菌と悪玉菌に分けられます。
中でも善玉菌と言われる最近は私達が健康で暮らしていく上では無くてはならない細菌で、腸内ではこの善玉菌と悪玉菌だバランスを取り合い生活しております。
その為、善玉菌を増やしていく事は非常に大切ですが、一方で善玉菌を増やす為に身体にとっては悪い効果も有りますので理解をしておく事が必要です。
【善玉菌は年齢と共に減って行くので補充する事が必要】
実は善玉菌は年齢と共に減って行ってしまいます。その為にその善玉菌を維持又は増やしていく事が必要になります。善玉菌を増やすには善玉菌のエサとなる食材や栄養素を積極的に摂る事が必要です。
この善玉菌のエサとなるのが、食物繊維とオリゴ糖で、この食物繊維とオリゴ糖を多く含んだ食材を摂る事はとても重要です。
又乳酸菌、ビフィズス菌等も腸内の善玉菌を増やす為には大変重要な細菌となります。
【もしも体内の善玉菌が増え過ぎてしまった場合】
人間の身体は基本的に善玉菌が増えてしまっても悪い事は有りません。
しかし善玉菌を増やす目的で摂るサプリメント等には少し注意が必要になります。過剰に摂取してしまう事で、悪玉菌がそのサプリメントの成分等をエサにしてしまい、悪玉菌が増えてしまう恐れが有ります。
特にオリゴ糖等は過剰に摂取する事無く、乳酸菌サプリメントを摂る様にする事が大切です。
アトピーの改善に乳酸菌が?原因から分かる改善するメカニズム!
皆さんは乳酸菌がアトピー症状を改善するという事を聞いたことはありますか?
アトピー性皮膚炎は皮膚の乾燥と湿疹、痒みを伴う病気です。小さな子供だけでなく、大人になってから発症する場合もあります。
アトピー性皮膚炎の治療は保湿剤やステロイド剤、免疫抑制剤などの塗り薬が中心になりますが、症状がなかなか改善せず、長期に渡って症状に悩まされている方も多いのではないでしょうか?
今回は乳酸菌とアトピー性皮膚炎の改善についてお話ししていきたいと思います。
【アトピー性皮膚炎の原因は】
アトピー性皮膚炎は皮膚が乾燥し、皮膚のバリア機能が低下し、外部からハウスダスト、ダニ、花粉、化学物質など様々な物が皮膚の中に侵入しやすい状態になって刺激となり痒みや炎症を引き起こします。免疫のバランスが乱れることによって症状が悪化するとも言われています。
【乳酸菌が免疫と関わっている?】
私たちの腸には驚くことに6~7割もの免疫細胞が存在しています。腸内環境が乱れると免疫システムに悪影響が出ます。
腸内環境の良し悪しに関わっているのが乳酸菌です。善玉菌である乳酸菌が増えれば、腸内環境は良くなり、免疫システムも正常に働くという訳です。
アトピー性皮膚炎の方はそうでない方より腸内環境が悪い人が多いことが分かっています。
このことから、腸内環境を改善すれば、アトピーも改善されるのではないかと考えられます。
【アトピー症状悪化は免疫のバランスが崩れている】
免疫とは外部から侵入してきた異物を排除する仕組みです。白血球の中にリンパ球というものがあります。さらにその中にはT細胞というものがあります。
T細胞にはマクロファージやナチュラルキラー細胞という細菌やウイルスを攻撃する言わば攻撃部隊に命令を下すTh1細胞と、リンパ球の一種B細胞にIgE抗体を作り出す司令を与えるTh2細胞があります。
正常に免疫が働いている場合はTh1とTh2のバランスが取れているのですが、Th2が過剰に働いているとき、すなわちIgE抗体の産生が過剰な時、アトピー症状が悪化することが分かっています。
乳酸菌はTh2の働きが過剰になっている状態を改善してくれます。Th1とTh2が乗ったシーソーを思い浮かべて下さい。アトピー症状が悪化している場合はTh2の方に大きく傾いた状態です。乳酸菌はTh2側に傾いてしまったシーソーを平行に戻す働きをします。
【アトピーに効果が期待できる乳酸菌】
アトピーに効果が期待できる乳酸菌は L-92、KW乳酸菌、LGG、BB536、L-55・・・など様々です。乳酸菌を摂取したからすぐにアトピーが改善する訳ではなく4~8週間続けることで効果が出てきます。
また、自分に合う乳酸菌、合わない乳酸菌も当然あるので、調子が良さそうだなと感じる乳酸菌に出会うことができるかが最初の壁になりそうです。もちろん乳酸菌だけでなく、肌の保湿や、皮膚への刺激を避けることも重要となります。
下剤の頼っている人は要注意!便秘の根本的な解消にならないばかりか病気のリスクも!
便秘になるとすぐに下剤を頼ってしまう人も多いです。下剤の効果は確かに出やすいですが、下剤で便を出しても便秘解消にはつながりません。下剤を飲み続けてしまうことは便秘が治りづらい体質へとつなげてしまう可能性もあるのです。
【下剤が根本的な便秘解消にはつながらない理由とは】
下剤は薬の力で腸を刺激して便を出す刺激性便秘薬となります。この刺激は薬の力で無理やり腸に与えられるものなので、便やガスが溜まっている状態のところ強制的に便を出してしまうのです。
最初のうちはこの刺激で便が出せるようになり、便秘解消ができたと思ってしまいますが、何度も下剤が体内へ入ってくると、腸に負担をかけてしまいます。また、腸が自分で働かなくなっても、薬がやってくれば便を出してくれると勘違いして、腸の働きを弱めてしまいます。
便秘そのものの原因は腸が何らかの原因で正常に働かなくなることにあります。なので、下剤を飲み続けることで腸の働きを鈍くさせてしまうので、便秘解消どころから逆に便秘の原因を作り出してしまうのです。
他にも、子宮収縮作用や善玉菌を減少させるなどの副作用もありますので、身体によって良いものとは言えないのです。
もともとお腹の弱い人が下剤を利用することで、腹痛があるばかりで、便が全然出すことができないというケースもあり、下剤が身体に与える影響は良くないことも分かります。
【下剤を飲み続けることで命に関わる病気になる危険性が高まってしまう】
一番気をつけたい病気は「腸閉塞」です。腸閉塞は便が長期間溜まって固くなり、その便が腸を詰まらせてしまう病気です。便が出ないまま腸内で固くなってしまうことが主な原因です。
下剤を飲み続けたとしても、固くなってしまった便は余計に出づらくなります。下剤の刺激によって腹痛が酷くなってしまうケースもありますので、下剤は継続的に飲み続けるものではないことが分ります。便秘が続くからといって安易に下剤に頼るのはやめるべきなのです。
よって、下剤を使い続けると腸の動きを弱らせるだけでなく、腸閉塞などの病気を引き起こしてしまう可能性もありますので、下剤の頼りすぎには注意が必要なのです。
滲出性(しんしゅつせい)の下痢って?何が原因で引き起こす?
下痢の症状にはさまざまなものがあり、そのうち一つが「滲出性の下痢」と呼ばれるものです。ちなみに、"滲出"とは"しみ出す"という意味です。それでは、この「滲出性の下痢」についてみていきましょう。
【滲出性の下痢とは?】
腸管が何らかの原因で炎症を起こすと、腸による水分の吸収が低下するだけでなく、腸管の透過性が増してしまい、血液やたんぱく質、粘液などの液体が腸管内にしみ出してきてしまいます。これにより、内容物の水分量が増加し、下痢を引き起こします。
また、滲出性の下痢の特徴として、食事により症状がひどくなることが挙げられます。ひどいときには1日に10回以上も便がでることがあり、そのために脱水症状を誘発することもあります。
【滲出性の下痢になる原因】
原因は大きく分けて2種類あります。慢性的な下痢の場合、悪性腫瘍や、難病指定されている潰瘍性大腸炎やクローン病の可能性があります。急性の下痢の場合は、細菌やウイルスによる、いわゆる食中毒の可能性が高いです。
【滲出性の下痢になった場合の対処法】
慢性的な下痢の場合には、医師の診断を仰ぐことが先決です。急性の下痢の場合は、下痢止めを飲んではいけません。というのも、食中毒による下痢は人間の持つ防衛反応の一種であり、下痢をすることで悪いものを早いうちに排出しようとしているためです。
ただし、ひどいときは脱水症状になりかねないため、水分補給をしっかり行うことが大切です。
【滲出性の下痢を予防するには】
慢性的な下痢の原因である潰瘍性大腸炎やクローン病は、いまだに原因は不明ですが、どちらも10~30代の若者に多いことなどから、食生活の乱れが原因ではないかと言われています。
ジャンクフードばかり食べるのではなく、野菜も摂取するバランスのとれた食事が大切です。
一方、急性の下痢を防ぐためには、食中毒に細心の注意を払うことはもちろん、普段から乳酸菌等を摂取し、腸内環境を整えておくことが大切です。
お腹が弱い人はこの食べ物に注意!暴飲暴食することで下痢になるかも!
[多量に摂取すると下痢になる食べ物]
下痢は便中に含まれている水分が90%を超える状態を意味します。ここで、下痢になりやすい食べ物があります。その1つに不溶性食物繊維という水に溶けない性質の食べ物を指します。
代表例に、
ゴボウ・アボガド・カボチャ・筍・ いんげん豆・さつまいも・干しシイタケ等があります。
このような不溶性食物繊維は水を吸収すると膨らむ性質があり故に腸を刺激を刺激してしまいます。これらを短時間で多量に摂取(暴食)してしまうと腸の蠕動運動が過剰になりそれに伴い便の排泄も活発になり下痢を生じます。
[アルコールなどの冷たい飲み物・冷たい食べ物が腸に与える影響]
熱燗は除き、アルコールやソフトドリンクには冷たい飲み物が多いです。夏の暑い季節に脱水症予防として冷たい飲み物を一気に飲む場面が多いでしょう。
しかし、冷たい飲み物を急激に摂取することは腸の蠕動運動を過剰に活発化させてしまい、腸内での内容物の輸送時間が極端に短くなり水分の吸収が追いつかずに下痢を引き起こしてしまいます。
[キシリトールと下痢の関係について]
虫歯予防としてキシリトールガムを摂取する人がいます。一方で、キシリトールには、小腸で吸収・消化されにくい性質があります。
キシリトールは腸の壁から水分を吸収しようとする力が強いので、結果的に便中に水分が多く含まれてしまい下痢に至ります。成分表示に
「多量に摂取するとお腹がゆるくなる場合があります」と記載されているのは、その理由によるものです。
[暴飲暴食したことで生じた下痢の治し方について]
まずは、半日から1日は胃腸を休ませる目的で食事はなるべく取らないようにすることです。また、下痢をすると脱水症を引き起こしやすいので、常温または暖かい飲み物をゆっくりと飲みましょう。
過激な運動は避け、可能なら身体を安静にすることが大切です。下痢は誰もが一度は経験する症状なので、日頃から暴飲暴食を避けることを心掛けましょう。