なぜ加齢によって排便がうまくできなくなるのか?
人は、加齢によって身体機能が低下し、様々な体の不調が現れます。排便が出来なくなるのも、その機能低下のひとつになります。では、どうして年を取ると、排便にも影響がでるのでしょうか?
[筋肉の低下によって排便できなくなる]
筋肉は、加齢とともに、衰えていきます。若いころは、重いものが持てたり、しっかり歩けていたりしますが、加齢とともに、力が出なくなったり、ちょっとした段差でよろけてしまうのも、筋肉の低下から起こる現象です。
排便の時には、お腹の筋肉が低下し、便を外に押し出す力が弱くなってしまいます。また、下肢の筋肉の低下から、代謝が悪くなり、腸の働きが弱まってしまう事により、排便が出来なくなってしまいます。
[腸の老化によって排便できなくなる]
腸そのものも老化していくため、腸の弾力もなくなってきて、腸内環境も悪化します。動きが鈍くなることで、善玉菌が減少し、悪玉菌が増えてしまいます。神経細胞も減少してしまい、腸の働き自体が鈍くなって、便意も感じにくくなってしまうのです。
[食事の変化と食事量が減ってしまう]
年を取ると、柔らかい食べ物を好むため、食物繊維が減ってしまう傾向にあります。また、若いころに比べて動きも少なくなり、食事の量も減っていきます。便そのものの量が少なくなってしまい、便秘が起こりやすくなっています。
[水分の量が減って排便できなくなる]
年を取ると、活動量も減るため、喉が渇きにくくなり、水分の摂取量が減っていきます。また、トイレに行くのも億劫になり、少しの水分で、すぐにトイレに行きたくなるため、水分を控える傾向にあります。そこで、便にいく水分が減ってしまい、排便できなくなってしまいます。
[病気や薬の影響で排便できなくなってしまう]
年を取ると、病気も多くなってきます。腸そのものが癌などで病気になることもありますし、飲んでいる薬の影響で、腸の動きが弱くなることもあります。そこで、排便できなくなってしまうのです。